アクセルを開けた瞬間から、「このクルマは速い!」と思いました。
乾燥重量などのスペックではなく、体感的に軽く感じられ、ドライバーが思い描いた通りのラインをトレースできます。軽くてクイクイ曲がり、思いどおりにサッと止まる、あの気持ちよさ…
以前試乗したウラカンとよく似ていると思います。ほんの少し試乗しただけですが、さすがは最新V8フェラーリ。
以前試乗したCariforniaTはどちらかというとスポーツ系GTというセッティングでしたが、488はさらにスポーツ寄りというか、スパルタン仕様にセッティングされていると思いました。
気になっていたエグゾーストですが、僕はアリだと思います。NAと比べれば一段低い音であることはすぐわかります。これは、「Engine Start」ボタンを押した瞬間に分かってしまう。しかし、乾いた野太いサウンドが結構気持ちよく感じられるんですよね。営業氏に聞いたところだと、たしか3500rpmくらいでバルブが開くんだったかな…開くと例の心地よい爆音が車内に響きます。僕がよく知っているのはCSの音ですが、それと比べても遜色ない迫力あるサウンド。
それ以外にも細かい部分で言えば、ブレーキが良く効きます。458スペチアーレと同じブレーキキャリパーですが、こんなに効くのかと。もちろん軽量化もされているのでバネ下重量については言うまでもありません。乗りやすさでいえば、最近のフェラーリらしく、本当に乗りやすいです。ギアをAUTOにしておけば、何もむずかることなく走ってしまう。ちょっと流しただけでも4~5速までギアが入ってしまうのには少し驚きました。
また、488からはキーレスなので、(試乗車なのでキーは常に車内にあるので)ボタン一発でエンジンがあっけなく掛かります。ひと昔前の「Check OK」が表示されてからエンジンを掛けていた時代とは隔世の感がありますね。エンジンを掛けるのをある種の儀式と思っている人は(僕もそうですが)少し寂しいかもしれません。
このクルマ、世間に受け入れられるのは時間の問題じゃないかな。ターボ=音が悪い、というのはF1からイメージされるだけであって、(F1を見ていない)僕はそれほど悪い音とは思わない。冷静に考えれば、市販レベルで8000rpmまで回るターボエンジンなんて驚異的、このクルマ以外に僕は知りません。
試乗車で用意されていたのは、ロッソコルサ・ジアロモデナ・ビアンコアブスの3色、ショールームにはグリジオがありましたが、自分が選ぶなら、やっぱりロッソコルサかな。
フェラーリはどの色を選んでも華のあるクルマなことに変わりありませんが、フェラーリの闘う赤は激しくもあり、美しくもある。大きく開いたエアインテークと相まって最も調和が取れていると思います。