Pour Bleu

Ferrari California T

a0192923_1114192.jpg
モダン・フェラーリ初のターボエンジンに試乗。



a0192923_1192587.jpg
僕の記憶では、288GTO、F40以来のフェラーリでは3代目となるターボエンジン。フェラーリ伝統のビッグボア・ショートストロークなNA高回転エンジンと比較してどうかな、と気になっていました。発売前は賛否両論、やっぱりフェラーリはNAでしょ、という人もいますが、F40はターボだったわけですし、これはアリだと思っています。さっそくエンジンルームを見せていただきましたが、赤い結晶塗装のエアインテークが小さいし、エンジン自体も小さい印象を受けました。そのために、エンジンルームに隙間がたくさんあるように見えます。これ、熱対策なんでしょうね。大きな赤いエアインテークカバーをこれでもか、と見せ付けていたNAエンジンと比べると、ずいぶん控えめな印象です。営業氏によると、エンジンをオフにしてもクーリングファンは回らないとのこと。アルファ4Cは一定温度に下がるまでファンが回るそうなのですが、カリフォルニアTは回らないみたいです。それにしてもターボなのにずいぶん小型化された印象を受けます。ターボ関係の補機類が増えた分、もっとゴテゴテしてると思っていましたが、意外でした。

a0192923_1152129.jpg
外観も含めて初めて見るわけですが、先代のカリフォルニアのようにあまり攻撃的ではなく、どちらかというとデイリーユースを意識したデザイン。458やF12も同時に展示されていましたが、それらに比べても明らかにデザインに優美さというか、クラシックな雰囲気が残っている感じがします。ドアを開けて乗り込み、初めに見たかったのはセンターのエアコン吹き出し口の間にあるターボ関係のメーター。これ、縁がタッチパネルになっていて切り替えられるんですが、いろいろ表示できて楽しいです。ただ…走行中は見る余裕がありません。僕が不慣れだからかもしれませんが、ひょいとわき見している間に事故りそうな気がします。高速をイージードライブしている間なら、眺める余裕があるかもしれません。キーをひねり、エンジンスタートボタンを押します。ここでセルモーターの音が少ないことに気がつきました。通常だと、キュルキュルキュル…ドォーン、と3回くらい回ってエンジンが掛かりますが、キュル…ドォーンと、1回ですぐ掛かります。なんでかなー、と思っていましたが、アイドリングオフ機能のためだったんですね。ギアが1速を確認し、おそるおそるアクセルを踏みます。気のせいか、先代カリフォルニア、F12、458と比べて発進時のトルクが細い気がしました(それでもチャレストくらいかな)。当然ですが低回転だとターボも効かないでしょうし、これは仕方ないのかもしれません。それに大した問題でもないのですが、こういう細かい部分でターボを意識してしまいます。

a0192923_1184524.jpg
走り出せばあとは至極快適です。カリフォルニアTのハンドルにあるマネッティーノは、コンフォート・スポーツ・CST OFFの3つしかないのですが、初めはコンフォートでオート、途中からスポーツでマニュアルに切り替えました。運転しながら営業氏とも話しましたが、これは確かに毎日気軽に乗れそうです。チャレストに乗るには、気構え・気合が必要で、もちろん天気も乗っていく場所も気を遣いますが、カリフォルニアTなら(白とか黒、紺を選べば)気を遣わず乗れると思います。なるほど、松涛でマダムが乗っているのをよく見かけますが、理由がわかる気がしました。
7DCTは非常に滑らかで、シフトショックもほぼ皆無。もちろんオープンにしましたが、これが非常に気持ちいいです。フェラーリのオープンは最高の贅沢だと思います。途中でスポーツでマニュアルに切り替えましたが、フェラーリサウンドも健在、バルブが開くと弾けるようなサウンドが響いてきて、久々のフェラーリが楽しくなってきました。

a0192923_1214729.jpg
ところで、やはりターボだと実感したのは、2速に落としてアクセルを踏み込んだときです。チャレストかそれ以上の加速感があり、安定してかなりの速度域までいきますが、なかなか高回転まで回っていきません。体感的に相当なスピードだし、実際メーターを見るとそうなのですが、回転数は6000rpmくらいなのです。この速度になっているなら、チャレストなら8000rpm、458でも7500rpmくらいだろうな、という感覚があるのですが、それが一致しません。要は、スピードと加速と回転数が(感覚的に)一致しない、みたいな。それほど回転数を上げなくても速度が出てしまうのは、ターボならでは、なのかな。あと、過給がいつ掛かっているのか、正直分かりませんでした。アクセルを踏み込んだときは当然掛かっているはずですが、ドッカンターボじゃなく非常に滑らかです。そういう意味では、以前試乗したBMW M235iと似ていますし、最近のターボのトレンドが、「ターボを意識させない」というものなんでしょうね。ハンドリングはチャレストに比べればものすごく安定していました。レーンチェンジも気持ちよく決まりますし、FRなので挙動が素直というか、わかりやすいです。当たり前といえばそうですが、アクセルを踏み込むと「どこかにすっとんじゃう」という不安というか先入観がどこかにあるんですよね。試乗車なのでなおさら無理できません。営業氏にも分かったらしく「本気で踏んでませんよね?」と言われましたが、そういう怖さというかジャジャ馬感が無いのも最近のフェラーリらしいです。

a0192923_110589.jpg
環境に配慮、という点で言えば、フェラーリにもアイドリングストップが付いたことですが…正直微妙でした。もちろん、信号で止まると、ストンっと止まります。いきなり止まったので「うぉ!(エンジンが)止まった!」とつい叫んでしまいました。古い人間なので「イタ車がストール、イコール、壊れた!!」と一瞬頭をよぎります。で、ブレーキを離すとエンジンがかかるのですが、静かに掛かるのではなく「ドゥォーン!」とかなりの音がします。「ストン…ドゥォーン!」「ストン…ドゥォーン!」…と繰り返す感じ。乗っているほうはフェラーリらしいエンジン音がその都度聞けるのですが、まわりは結構迷惑だと思います(爆) しかも、何度もやっていると壊れそう(だから壊れないって)。これ、世間体を気にして義理でつけた機能でしょ?という感じがしました。すでに488GTBはターボエンジンだし、もうV8NAなフェラーリは出てこないと思います。V12だってどうなるか分かりませんし。僕が経験した速度と回転数の不一致は、たぶん感覚的な問題だろうし、すぐ慣れちゃうんでしょうね。NAに未練なし、というとウソになりますが、これだけ良くできているターボエンジンにフェラーリならではの独特のサウンドなら、これはこれでアリだな、という気がしました。

今さら気が付きましたが…試乗車のナンバー、1861なんですね(笑)
[PR]
by nyajilacs | 2015-06-22 01:26 | Car